耐薬製品・耐熱製品の製作をお考えの方へ

耐薬製品、耐熱製品を作る際に
難しいのは素材選び

素材アドバイザー 入佐

半導体メーカー様よりお問い合わせをいただく事が多いのは耐薬製品・耐熱製品の加工についてです。

「樹脂は生き物」といわれるほど形の変わりやすい性質を持っているため、使用用途や、使用環境によってはせっかく作った製品もすぐに使用不可になります。
そのため特殊な環境で使用する場合には特に素材をしっかりと吟味しなければいけません。

ミヤザキではお客様がどういった材料をお求めなのか、どういった用途で使用されるのかなどを徹底的にお聞きすることを大切にしており、お客様の声をじっくりと聞いたうえで、適切な素材をご提案させていただきます。

素材から探す

素材選びのポイント(耐薬製品・耐熱製品製作時)

ミヤザキには樹脂を熟知した素材アドバイザーがていねいに対応させていただきます。
お気軽にお問い合わせください。

必要な特性

半導体メーカー様の場合は特に特殊な環境下で使用する場合が多いと思いますので、使用環境や使用用途を教えてください。

  • 耐熱温度
  • 絶縁/導電
  • 強度
  • 耐薬品性 など

薬液使用の有無

薬液の種類によっても使用できる樹脂が変わってきます。どのような薬液を使用されるのかを教えてください。

  • 薬品の種類 など

必要な精度、公差の有無

使用用途がわかれば、その用途に合わせた安価な材料のご提案ができますし、あえて精度が必要ない所は寸法公差を無くすことでコストダウンのご提案をいたします。

色や透明度、磨きの有無

特殊な環境下の場合、使用できる素材は限られてくるため、ご希望の素材がない場合がございます。
磨きを含むご依頼ですと、仕上げ加工に時間がかかりますので、コストが上がってしまうこともございます。
コストを重視したい場合には色や透明度、磨きの有無などの緩和をご検討ください。

接着や溶接の有無

接着または溶接できる素材は限られます。
また、溶接なしで接着のみですとコストダウンにもなりますので、使用用途や使用環境をお知らせください。

ミヤザキの素材アドバイザー

耐熱・耐薬品などの特殊環境下における素材解決事例

特殊な環境下においての素材選びは本当にむずかしいものです。
今までの経験があるからこそご提案できることも多くございますので、素材で悩んでいる方はぜひ一度素材アドバイザーにご相談ください。

半導体メーカー
規格にない時こそ、素材アドバイザーの出番
半導体メーカー
お客様からベーク(白)で製作したい部品があるとご相談いただきました。
しかしながらベークの規格には茶色、または黒色しかありません。

「白色はどうしても譲れない」とのご希望でしたので、もっと詳しく使用目的をお聞きしたところ、ベークを選んでいた理由が「ある程度の耐熱性が必要」とのこと。
そこで、耐熱性のある素材としてPBTの白色をおすすめしました。

結果、価格的にも抑えることができ、大変喜んでいただきました。

耐熱温度:100℃ / 白色 / 安価な材料

色々と相談にのって頂き助かります。これからも頼りにしています。

医療装置メーカー
インターネットで素材を調べてもわからない
医療装置メーカー
あるお客様から「耐熱温度120℃以上で、導電性のある物質を使用したい。何かお勧めの素材は?」と聞かれ、「MCナイロンCDR6または、CDR2はどうでしょうか?」と即答したところ、すぐにご注文いただきました。
詳しく伺うと、そのお客様はインターネットで素材を探していたようですが、今ひとつ理解できず、わが社のホームページが目に留まりご連絡をいただきました。
ミヤザキには経験豊かな素材アドバイザーがおりますので、気軽にご相談いただければと思います。

耐熱温度:120℃以上 / 導電性 / できるだけ安価な素材

連絡してみてよかったです。

分析装置メーカー
試作組み立て後、思っていたより強度がある為
すぐに次のご注文をいただきました。
分析装置メーカー
耐熱温度と耐薬品性にも優れ、しかも、強度が必要な材質でご相談をいただきました。今まではPEEK材を使用していたが、「強度が今ひとつなので、強度を強めたい。」とのご要望です。すぐにPEEK材のカーボン入りをおすすめしたところ、「早速試してみたい」と試作品のご注文をいただきました。
試作品の組立確認後、思っていたより強度があると評価いただき、すぐに次の注文をいただきました。
過去の経験の中からお客様のご希望に合う素材がご提案できて私たちも大変うれしく思います。

耐熱温度 / 耐薬品性 / 強度

すぐ対応していただいたので、大変助かりました。今後とも、よろしく。

航空機メーカー
今まで使っていた素材を見直したところ
大幅にコストダウンができました
航空機メーカー
あるとき、お客様との打ち合わせ時に、以前から気になっていた「部品加工用の治具で、なぜMCナイロン材を使用するのか?」について質問してみました。
担当者からは、「今まで使っていたからその材質しか知らない」とぽつり。

製品の特性から別の素材のほうが合いそうだなと思っていたので、早速ほかの素材をご紹介しました。製品の切削性を考慮し、今回はPOM(ボリアセタール)をご提案。
素材の価格だけでも1/3と、大幅にコストダウンすることができるので次の治具からはPOMを使用することになりました。
お客様が喜んでくださったので、あの打ち合わせで質問してよかったです。

使用用途 / コストダウン

アドバイスしていただいてありがとう。ほかの部署にも紹介します。

半導体メーカー様の部品製作時によく使用される素材一覧

特殊な環境下でよく使用される素材の一覧です。
こちらはあくまで一例となります。
部品の使用用途や環境により適さないこともございますので、詳しくはお問い合わせください。

塩化ビニル
樹脂(PVC)
耐熱温度 比重 特徴
■~80℃ 1.45 耐薬性、絶縁性に優れている。加工性が良い。
難燃性である。
吸収率% 耐薬品性 用途
0.04 上・下水道管、継手、壁紙、ホース、電線被覆など
ポリプロピレン
樹脂(PP)
耐熱温度 比重 特徴
-40℃~85℃ 0.91 耐熱性が比較的高い。機械的強度に優れる。
吸収率% 耐薬品性 用途
0.03 自動車部品、家電部品、包装フィルム、食品容器、
医療器具、日用品 など
ポリフェニレン
サルファイド
(PPS)
耐熱温度 比重 特徴
常温~220℃ 1.35 耐薬品性、機械的強度、耐摩耗性、耐熱性に
優れている。
吸収率% 耐薬品性 用途
0.02 半導体、液晶製造装置部品、原子力関連部品、各種製造ライン用部品 など
ポリエーテル
エーテルケトン
(PEEK)
耐熱温度 比重 特徴
-50℃~250℃ 1.32 耐薬品性、耐放射線性、機械的強度に優れている。
吸収率% 耐薬品性 用途
0.14 半導体、液晶産業用の各種部品、メッキ工程用の
各種部品 など
テフロン樹脂
(PTFE)
耐熱温度 比重 特徴
-40℃~260℃ 2.20 耐熱性や耐薬品性に優れている。
吸収率% 耐薬品性 用途
0.01 食品容器、医療関連、パッキン、電子部品 など
■は、設定データー無し。